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sonic&trip-「AKIRAの文学音楽」

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2009年 08月 16日

ムーンパレスと幽霊たち。

ポールオースターの「ムーンパレス」を読んでる。読んでる途中からもう書きたいから書くけど本当に面白い!

最後まで読まないと分からないとか、初めの内は退屈だけど、とかそんな生易しいもんじゃない。一行一行のめり込む。

自分の好きな作家は大抵、中学高校の間に出会ってしまった人が多い。だから、好きな作家の未読の作品を思い立ったら手に取る、というのが自分の読書サイクルだった。

ポールオースターはまだ2作品しか読んでないからこれから一気に沢山彼の作品を読めるチャンスがある。もうそれだけで最近はドキドキしちゃって、最高に幸せ。

お風呂入っててもご飯食べてても曲作ってても早く読みたいからそわそわ。

だから「遥か」とか九分もある曲を書いたのに、それは実際書いたといっても青写真が撮れただけで、一語一語それを立ち返ってよく吟味するという地道な作業ができないでいる。

「悲しみに明け暮れる君は今」という曲も生まれた。
なんか知らなかった作家に会い、知らなかった言葉、知らなかったリズムに出会うと、自分の中にも新しい風が吹いてくる。ずっとグツグツ煮えくり返ってたものが一旦清算される。その塵が吹き飛ばされると、新しい地平にある自分の曲と出会うことができた。

そういえば、レディオヘッドの新曲がマイスペで全編聴ける!これもまた嬉しい出来事だ。今も進んでるんだどこかで、トムヨークとジョニーは、ってパソコンにヘッドフォンをつけて興奮。
トムとジョニー。なんて素敵なコンビ。どっかの某ネズミと某猫さんみたい。


bang,bang.は改名した。この曲は前ライブでも言った通り20歳くらいの時作ったきりずっと手がつけられなくて。(実はピアノで初めて作った、ちゃんとした曲だった。)

でも題名と歌詞中のジョニーて名前が気に入らなかった。
題名はその次の年かなんかにSMAPが同タイトルの曲を出して、真路に「あんなタイトル、よく被るな」って驚かれた。勿論僕はそのことでかなり参ったし、大不機嫌。

歌詞の内容も作っちゃったはいいけど瞑想的で、自分でも何を歌ってんだか、よく意味が分からない。歌詞を考え直してみてもうまくハマらない。何か絶妙なバランスがあって。「あんまいじるな、俺はもう完成してる」って曲に拒否される感じがあった。
ポールオースターの幽霊たちを読んで、その話を丸山さんとしていたら、ふと幽霊たちっていうタイトルがこの曲と重なった。

これがビックリ。幽霊たちっていうタイトルにすると、曲の歌詞の意味もサウンドもぴたっと自分の中で一つになった。

(これは死者に銃口を突きつけられてる曲なんだ。現実にいるジョニーじゃない、幽霊のジョニーに僕は懺悔をしたり、祈ったりしてる。ディケンズ「クリスマスキャロル」のスクルージおじさんとマーレイみたいに。)

そんな訳で本当に鳥肌が立つほどぴったり、一つになった。僕も曲も大満足。セカンドに入れなかったのもこういう訳だったかと納得。この曲は自分でも盛り上がるから歌うのは好きだった。


こういう不思議な出来事は曲を作ってると時々ある。そういうとき僕はこんな風に感じずにはいられない。

「やっと僕の人生が、僕の曲に辿り着いた。」


だからあの曲は「幽霊たち」になった。

(ゆくゆくはポールオースター、そして柴田元幸さん〔訳者〕に聴いてもらいたい。)

by sonic-trip | 2009-08-16 14:20


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