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sonic&trip-「AKIRAの文学音楽」

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2010年 06月 22日

素晴らしい世界。

渋谷Milkyway、ほのかのじかん、来てくださった方々、どうもありがとうございます。

セットリストです。
1.オレンジの月
2.あの日あの場所で
3.マリ
4.yes,please.
5.心の中で
6.素晴らしい世界

良い集中の中でできたように思います。
自分も歌の中に深く入っていけた。

前も言ったけれど、最近曲を書いていない。
自分の中には「違う次元での愛の話」というアルバムを何度も頭の中で作り直していて。
歌詞を書き直したり、入れる曲を変えてみたり。

このアルバムが現実に出来上がらないと多分、僕は次の作品に自分の意識がシフトしていかない気がする。

今年はもっと小説も書こうと思っている。
よく日本の小説を読むようになったけれど。芥川龍之介のモダンさとか、夏目漱石の柔らかさに驚いている。
作品というものはこれほどにも自由なのか、と何度溜め息をついたか分からない。

最近よく見られている映画というものの幾つかは、どうかと思う。
テレビで映画の宣伝番組みたいなものを見たのだけど。予告だけ見てもひどすぎる。
一体どうして、ああいうものにお金を出そうという人がいるんだろう。
昔から常々思っているけれど、表現の自由といって、誰かを傷付けるような内容の表現をしていいとは僕は思えない。自由とはほど遠い。悪趣味なので、比べたくもない。
それは表現の自由という言葉を装った、暴力だと思う。

本当に人の血だけが無意味に流れる映画、がよく作られている。それを「いのち」のことを考えさせる映画だとか銘打って宣伝している。
衝撃を与えること、奇抜なことが、あたかもクリエイティブなことのように扱われている。

僕はそこに人の心が在るようなものでないと、クリエイティブだとは思えない。
そこにある人の心というものの、魂というものの徳を高めて、この世界の穏やかでないものを如何に鎮めることができるかが、作品を作る人の心がけるべきことではないかと、僕は信じている。

作品を作るというのは、誰かの心の中に入っていくということだ。深い深い心の奥底にまで、入っていくということだ。
作品を作るというのは、声にならない、現実にはできなかったことを伝えるためだ。純度の高い感情というものを、日常の中で、人間は信頼することが、どんどん難しくなっていく。
作品を作るというのは、そこにあった現実と、自分の心の中にあったものを混ぜ合わせて、誰かと共有することで、もう一つの違う次元での現実を、もう一度生き直したいからだろう。
作品を作るというのは、そうやって自分も、誰かも救いたいからだろう。

僕という人間は、無意味に誰かを傷付けるだけの暴力というものが、嫌いだ。
それが大好きな人たちがいるこの世界も嫌いだ。僕はだからそういう作品を、作品だとは思えない。
僕は深い悲しみと深い安らぎが好きだ。
悲しみと出会わなければ、僕はそれからのいくつかの場面で、胸の中にあれほど多くの幸せを感じることはできなかっただろう。
悲しみと安らぎ。
僕の瞳の中の世界を、いつかその二つで満たしたい。

by sonic-trip | 2010-06-22 11:16


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