sonic&trip-「AKIRAの文学音楽」

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2010年 12月 30日

「エトワール」

こないだ横浜美術館ドガ展に行ってきた。

僕はドガのことを知るのは初めてだった。

ドガは踊り子や競馬の風景を多く描いた。
印象派の人たちが風景や人物を色彩豊かに描いていた時代にドガは人々の生活風景を描いていた。

なかでも、ドガ展ポスターになっている「エトワール(星)」というタイトルの、バレリーナがステージで一人踊っている絵は他の作品とは発しているものの違う、強い力で生きている絵だった。


左斜め下からバレリーナにスポットライトが当たっている。バレリーナの着ている衣装は白く、ぼんやりと宙に溶けている。バレリーナの顔、その表情には、光と影が避けがたく混在している。

ドガはこの絵を描く三年前に、自分の目の異変を感じていたという。それからドガは目から少しずつ光を失っていった。

彼は目が悪くなるにつれ、色彩が見えづらくなると、色が鮮やかで見えやすい画材のパステルによる作品が増えていき、晩年は絵ではなく、像を作るようになった。

ドガの生涯の作品を見終わった後、もう一度「エトワール」の前に戻った。

スポットライトをその細い体に受けて踊るバレリーナ。
彼女はいつ自分が主役でなくなるのか、分からない。この一瞬だけかもしれない。もうこの一瞬は訪れないかもしれない。

彼女を照らす光と彼女の背後に滲む暗闇が、彼女の抱く不安、彼女の運命を暗示しているように見えた。
ドガはきっと光を失い、この先絵が描けなくなるかもしれない自分の運命をこの「エトワール」の姿に託したのだろうと思う。

とにかくこの絵の中にある、光が、見たことのないものだった。異様なほど輝いているのとは違う。フェルメールのように澄み切って透き通っているわけでもない。
光はぼんやりと、ただ不気味なほどにぼんやりと、力強く、彼女を照らしていた。
絵を見る誰もが、スポットライト、その光の発する入り口を思い、胸が締め付けられるのだろう。

僕は過去に「猫のために」という小説で暗い部屋の中で踊るバレリーナの姿を書いた。

僕はそのバレリーナを上手く書けたか分からない、また書き直すかもしれない。でも、このドガ展で、僕はそのバレリーナとやっと出会ったような気持ちがした。彼女は実際にいたんだ…。そう思った。

来年は小説二作、「猫のために」と「光の届かない場所」を引き続き追いかけて、完成させようと思う。
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by sonic-trip | 2010-12-30 01:35
2010年 12月 01日

詠み人知らず。

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書かなくなってくると一気に離れてしまうね。早いな1ヶ月。書くの怖くなってきたよなんか。今から怖い。でも書くよ、今日こそ俺は。

このページには大体毎日来てる。インターネット開くと、このページが開くようになってる。それで更新されてないか、毎日チェックしてる。勿論、されてない。何故かでも、ちょっとがっかりする。

自分がしなきゃ更新されないのに。今思えば、ちょっと混乱してたのか。ずっと混乱してたのか。
よく分からなくなってく。


今年の4月から、中学高校の国語科教員免許を取ろうと思って通信教育を始めた。

大学の時にも何度か免許取ろうかよぎったのだけど結局何もやらずじまいで。法学部だし社会科の教師は向かないなと思って。

だから最近はまた学校に通ってる。

友達もできてきた。みんなすごくいい人。

よく図書館にこもって、思いっきり勉強してる。

今は自分の好きな色々なもの、勉強したくて仕方ない。図書館で目につくものを引き出しては読んでみる。
それで宇宙物理学とかも好きになって。自分の普通に考えてることがこんなにも学問になっていて、人生を賭けて研究してる人たちがいて。来年はだからファインマンの著作とか読んでみたい。

学校生活では日本の古典を沢山読んで、論文書いて。みんなの前で発表したりディスカッションしたり。今はテストに向けて漢文をずっとやってる。

小説を書く基礎になりそうなものを沢山吸収してる。

今は夏目漱石も芥川も読破する充分な時間がある。今まで読んでこなかった川端康成、谷崎潤一郎、正岡子規も読んでみたいと思う。

「違う次元での愛の話」も頭の中に全体がちゃんと見えてきてる。来年初めにはそれを録音したい。すごくいいアルバムだよ。おそらく、作り始める前の頭の中にある時点では最高傑作(笑)

あと実は英語の小説を英語のまま読むというのも夏過ぎてから始めた。バンドで練習に入らなくなって、学校帰りに図書館にいれる時間がぽっかり生まれて。

宝島とか、童話から入って何冊か読んで、今はグレートギャッツビーを読んでる。


そんな風に秋になって、冬がきた。

みんなも元気でいてください。
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by sonic-trip | 2010-12-01 00:16