sonic&trip-「AKIRAの文学音楽」

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2007年 11月 30日

何を書きたいんだか自分でもさっぱり分からない。

1stアルバムを聴き返してた。
何だか懐かしい暖かい気持ちになる。

来る日も来る日も悩みながら練習していた。その割に要領が多分今よりすごく悪かった。
衝突しなくていいとこで衝突して、衝突しなくちゃいけないところで避けちゃう。
寂れた遊園地のゴーカートみたいに、僕たちは何処にも辿り着けないレースをしてた。

そんなあの時の僕たちがいる。ヘッドフォンの向こう側!
それって本当に素晴らしいことだとも思うし、同時に悲しいとも思える。

僕はいつも二つの場所にいる。好きなのに逃げたいと思ったり。楽しいのに寂しいと思ったり。ずっと一緒だよって言ったり、いつまで一緒なのかと考えたり(笑)

でもあのアルバムを聴くと僕は確かに笑ってる。そんな気がした。

高校時代の卒業アルバムを開いてもそうだ。
僕は高校時代、嫌な思いばかりしてたように感じてる。
休み時間になると、とにかく居場所がなくて遠くの校舎まで歩いて行って水を飲むフリをして帰ってきていた。
でも卒業アルバムをめくると確かに僕は笑ってる。疎外感しか感じていなかったクラスの全体写真の中でも僕は特に居場所のない奴には見えない。

僕はヘラヘラして何でも言うことを聞いた。明るい方だった。それで僕のことを柴犬って言う子もいた。お願いごとをするときに僕をそう呼んだ。大嫌いだった。

グループも苦手だった。僕はグループに入って何度か食事もしたけど、皆が僕を本当はいらない、と思ってるんだと信じていた。違う会話をしていてもそんな声が聞こえるような気がした。こいつは…イマイチだよな。
だから僕の方から気を使って離れたし、その方が自分もずっと楽だった。苦手なものはグループ。単純に三人以上だとそうなるんだと思った。

求められると過剰に反応した。学食の隅にある残ったらーめんスープで顔を洗ったり皆が喜ぶことは進んでやった。
そうやって仲良くなることができた。けど結局は僕が壁を作ってしまうのだった。居場所がないのは決定的に僕の内面にある問題だった。
皆が喜べば喜ぶほどどうしてか僕の心は冷たく固まっていった。

もう僕は何でもできた。小さい頃のただ怯えてた僕とは違う!殴られる前から殴られた後の顔をしながら待つなんて!

顕がなんかやってくれる。そんな声が聞こえるみたいだった。歩道橋から飛び降りたらと冗談で言われ足首を折ったまま、代官山を歩いた。
その友達は僕を怖がった。理解できないみたいだった。僕も僕が怖かった。
大丈夫大丈夫、気にしないでって僕は笑った。ちょっと痛いや。彼の買い物に付き合わなくちゃ。

僕はどうしたら自分が好かれるのか遂に分からなかった。僕は何も変わってなかった。やっぱり僕は皆の輪の中には入れないみたい。
ホームで泣いているとおばさんが話し掛けてくれた。転んだだけです、と僕は折れた足首をぶら下げて鳴咽を止めるのに必死だった。本当に転んだだけなんだと言い聞かせた。そして信じた。
僕が悪いんだ。誰も悪くない。認められたくて、好かれたくて。

自分が思ってたよりはもしかしたらうまくやっていたのかもしれない。
でも嘘だらけだった。
嘘が嘘を呼んできてまた違う嘘が穴の底からズブズブと生まれてくるのだ。
つまらない怪奇ホラー映画みたいに。街の皆はパニックで逃げ出すし、子供は膝を抱えて震え出す。

1stアルバム。大学生の僕。
高校生の頃に書いた曲は星になりたい、だけ。本当、死にたいとしか考えてなかった(笑)
歌もあれは高校生の僕だ(笑)
星になりたい!わぁー!止まってしーまーうー!高校生のままあの曲と僕はアルバムの中で止まってしまった(笑)

僕は上手に話せなかったかもしれない。まだうまく伝わらないことが沢山残ってる。というかそればかりだ。
でも僕は初めて会うあなたと昼下がりの午後にテーブル越しに向かい合って自分のことを精一杯話した。
あんまりに久しぶりに人と喋ったものだから自分の喋る内容に僕も戸惑いながら。
でも嘘をつかずに喋った。あなたは微笑んでくれたのだろうか。…それはカーテンから透けて差し込む光とちゃんと溶けていただろうか。

僕の目は閉じていてそれを見ることはできない。でもいつか感じたいと思ってる。

そうやって僕は迫り来る亡霊達の街からやっと抜け出すことが出来たんだと思う。

そう思った。
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by sonic-trip | 2007-11-30 14:42
2007年 11月 09日

その名はPAUL BEUSCER 。

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これは僕のギター。一週間前にウチにやっとこさ、この子はやってきた。

僕とこのギターはこの夏フランスのコルシカ島で出会った。殆ど運命といっていい。それで本当にウチまで来ちゃった。


コルシカ島に住むピエールさんっていうアコーディオン奏者シンガーソングライターのおじいちゃんが僕に譲ってくれた。

僕はピエールさんの家の地下にあるガレージの隅でこのギターを見つけた。

遠くでみんなの話し声や笑い声が聞こえる。
僕はギターをじっと見た。
PAUL BEUSCHER?知らないメーカーのギター。

でも素敵なギターだった。すごく上品で気品があるけどどこか自信がなさそうと思った。


僕はこのギターが気になって仕方なくて何度もピエールさんにギターのことを聞いた。
あのギターはもう弾けないの?
ガレージの隅にあるギターだよ、あのギターは何なの?
ピエールは弾けない、あれはもう無理だと言った。


でも僕はピエールさんが君の歌を聴かせてほしいと言われたときにそのギターで一度弾いてみたくてやっぱりガレージに一人で取りに行くことにした。
ギターはボロボロだった。弦も切れてたし、ネジもガタガタだ。


でも僕はそれを取りに行ってピエールさんに「夢の日々」という歌を聴いてもらった。

ピエールさんは僕のことを真っ正面からじっと見ていた。一度も目をそらさずに僕を見ていた。
それから僕はピエールさんの曲にドラムを叩いたりして遊んだ。


帰る前、ピエールさんがこのギターを持っていっていいよ。と言ってくれた。
僕は驚いたし、はじめ何度か断った。
ピエールさんの奥さんが僕にギターを押し付けてくる。
ほら、早くピエールがそう言ってる内に持ってくのよ。ほらほら、もらっちゃいなさい、あなたのものよ。


話を聞くとこのギターのメーカーの創立者とピエールさんは昔からの友達で彼がピエールさんに特別にこのギターを作ってプレゼントしたんだという。
その友達は2年前ヘリコプター事故で亡くなった。
でもピエールさんはギターをあまり弾けないしこのギターは今まであまり弾いてもらっていないから、可哀相なんだと。

ピエールさんはこのギターで曲を書いてくれ。君みたいな子をこのギターは待っていたんだから。と言う。


そして、僕はこのギターを抱えてピエールさんのお家を後にすることになった。
お礼は言い足りなかった。
曲を作るしかないと思った。

そしてこのギターはパリで完璧に修理してもらった。キズついてはいるけど殆ど三十年前に作られたときと同じに戻って僕の部屋にやってきた。

僕は早速一曲書いた。一週間かかって、でもまだ少し未完成だけど。

「ラストロマンス」という曲。


いつかやりたい。おっきなステージ。まぶしいライトがすごく暗くなる。真っ暗闇でスポットもなしで。
目を閉じると僕たちはあのガレージの中に戻っている。
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by sonic-trip | 2007-11-09 01:17
2007年 11月 04日

大事なお知らせ。

皆さんに大事なお知らせがあります。

実はこの2ndalbum制作途中、9月いっぱいを以ってギターの清水和弘がバンドを抜けることになりました。2005年の3月から。2年半という時間。

2度目の沖縄から現在のalbumレコーディング後半は3人でやっています。和くんのリードギターは6曲入ることになります。


脱退の理由ですがしっかりした説明がうまくできそうにないです。ごめんなさい。
だから説明の代わりじゃないけど僕が今感じてること、素直に書きます。

和くんはsonicの大きな一部分でした。(よりよい暮らしのソロとか聴いたら誰だってそれが分かると思う!)
それはもう和くんにしか作り上げられない和くんの領域だった。僕はかずくんがそんな領域を作ってくれることをいつも楽しみに待っていた。

バンドはよく恋愛みたいなものだという話を聞くけど本当にそうかもしれない。少なくとも僕は和くんのギターに恋をしていたと思う。
素晴らしい時間と作り上げた音楽が僕たちを通り過ぎていった。嘘いつわりなく本当にそうだった。
バンドをやっていて1番幸せなのは今のところレコーディングの時、他の皆の素晴らしいプレイがスピーカーから飛び出してくるときだ。バンドやってて良かったって思う。一緒に音楽作れて最高だなって。


一昨日、和くんが家に来て僕たち色んなことを話した。作り途中のalbumを聴きながら。
そんな状況、複雑だって思う人がいるかもしれない。
でも僕たちは複雑だって思わなかったと思う。
1st越えられそうだねってかずくんは喜んでた。
良いalbumを作ろうってそれだけだった。


だから僕たちの関係がどうなのかとか、脱退の理由がどうなのかとかはきっとうまく説明できない。
おそらくそこには僕たちの空気があってそれはきっと僕らでも理解できているか分からないし、まして他の人に理解してもらえるようなものじゃないと思うから。

これから僕も何故僕たちが離れなくちゃいけなくなったのか分かるときが来るかもしれない。


…という大事なお知らせでした。
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by sonic-trip | 2007-11-04 15:57